テレビを見ていると日経平均が上がったとか、円安になっていう言葉を聞きますが、
どうして上がったの?やっぱりアベノミクスが関係しているの?
最近は三本の矢っていう言葉をあまり聞かなくなったけど、実際にどのような対策が行われて日本の株価が上がったんだろう。今さら人に聞くのは恥ずかしい。このように思っている方は多いかと思います。こっそりとアベノミクスについてもう一度勉強しておきましょう。
アベノミクスの三本の矢って何?
三本の矢とは元々、毛利元就が3人の子供に一族の結束を説いた言葉ですよね。一本の矢だと簡単に折れてしまうけど、3本まとめると折れにくい。強くなるっていう意味です。
ではアベノミクスの三本の矢は?
① 大胆な金融政策
② 機動的な財政政策
③ 成長戦略
この3つでしたね。言葉で見ると凄く難しい。では順番に解説していきます。
大胆な金融政策って具体的にどういうこと?
量的緩和政策っていう言葉をニュースで聞いた事がありますよね。
どういう事をしたのか?
国の借金が多いというのは知っていると思いますが、どうやって国は借金をするのか?国債を発行し、個人や銀行、海外の投資家などに買ってもらいます。日本は借金が多いけど破綻しないのは、日本国内で借金をしているからです。つまり国債を日本人が買っている。誰が買っているのか?個人でも買う事は可能ですが、主に国債を買っているのは銀行です。銀行には個人が預けたお金が沢山入ってきますよね。でもお金ってただ持っているだけでは増えない。銀行も同じで、人に貸して利益を出すか、国債などを買って利益を出します。国債もお金と同じように信用で成り立っているので、価値は日々変動します。
量的緩和政策では日銀が多くのお札を刷って銀行にある国債を大量に購入しました。そうするとどうなりますか?銀行には国債を売る代わりに大量の現金が入ってきますよね。この大量に入ってきたお金を誰かに貸そうという動きになるわけです。今までは銀行の利益も少なく、現金が銀行にあまりなかったので、簡単には銀行がお金を貸してくれなくなっていました。金利が高かったり、審査が凄く厳しかったり。半沢直樹で銀行の仕組みが描かれていましたが、基本的に銀行はお金を誰かに貸して利益を出すわけです。半沢直樹のように中小企業への融資が突然切られたり、直ぐに返済が見込めないような企業や個人にはお金を貸してくれなかったり。
でもこの量的緩和政策によって銀行にお金が大量に入ってきました。
すると銀行は融資をしてくれたり、これから起業する人に対してもお金を貸してくれるようになりますよね。
期待に働きかけて円安になった
日常会話での期待って何か良いことがあるっていう意味で使いますよね。でも経済で言う期待に働きかけるっていう意味は、あくまでも予想っていう意味で使われます。その予想が今回は上手く的中して円安になりました。ではどうして円安になったのか?
世界中に投資家がいますよね。日本円を買ってドルを売る。円やドルだけではなく、世界中のお金を購入します。今日は1ドルが100円の価値、次の日は1ドルが101円の価値。昨日は1ドルを買うのに100円でよかったけど、今日は101円必要になった。つまり円の価値が1円下がったという事ですね。円安になったということになります。投資家は常に世界経済に注目し、日本のニュースも当然見ています。そして日本のニュースで大胆な金融政策をしますよって発表しました。期待に働きかけたんですね。
すると投資家は日銀が大量にお金を発行するので、円の価値が下がるに違いない。と予想するわけです。円を売ってドルを買うという流れになっていくんですね。
期待に働きかけて「みんながそう予想するという予想をして」実際にそうなったんですね。
昨日の為替を見てみると1ドルが105円。アベノミクス前は為替に詳しい方なら覚えているでしょうが、80円前後でしたよね。もちろん為替は一銭という1円より小さな数字で変動しますが、凄く大まかに見ると25円も円安になりました。
日経平均株価も上がった
円安になると輸出産業が儲かりますよね。車や家電など日本には沢山の世界と勝負出来る企業があります。すると投資家たちは、日本企業の株は上がると予想し、日本企業の株を購入します。でも日本には沢山の企業があり、どの会社が輸出に強くて、どういう経営状態なのか。そこまで把握するのは難しい。ですので、日経平均株の投資信託へ投資をするわけです。
日経平均とは東京証券取引所第一部に上場する225銘柄を用いて表す株価指数です。難しい言葉が随分と並びましたが、「隣の人って一部上場企業に務める凄い人なんだって」っていう会話をドラマなどで見かけますが、大企業の事ですよね。円安になると利益が少なくなる会社も当然あります。実際には利益が落ちていても、海外の投資家が日経平均株を購入するので、結果的に業績に関係なく日経平均株価は上がったという事ですね。
海外の投資家達が円安になると予想し、円安になると輸出産業が儲かるので日本の株に投資する。と全て期待に働きかけて行われました。「こうなると予想するだろうと予想して」凄いですよね。
株価が上がった事によって実際に物が売れた
株をやっている人が多くの利益を出し、高級品が次々に売れました。時計や車といった高価な商品ですね。株をやっていない人には関係ないって思うかもしれませんが、テレビのニュースなどで高価な商品が売れている事が特集され、景気よくなってきたのかな?って皆が思うようになるわけです。日本全体が少し明るくなったわけですね。経済学で人間は合理的に行動しないという言葉があります。高級なうなぎ店に入って1000円のうな重と、2000円のうな重の二種類があれば、多くの人は1000円のうな重を注文する。だけど、3000円のうな重がメニューに加わるだけで、2000円のうな重が売れる。人間は合理的には動かないんですね。これと同じように、景気が良い話が多くなれば、そこまで給料は上がっていなくても、ちょっとスーパーで高いのを買ってみたりする。今後の景気に期待するわけです。
機動的な財政政策とは
これは先ほどお伝えした国債をどんどん発行し、更には公共事業をどんどんやって景気を回復させようという事です。公共事業に国がお金を出すようになると?建設会社が儲かりますよね。ここに新しい道路を作ろう、トンネルを掘ろう、と国がどんどん建設会社に依頼をしてきます。すると建設会社は仕事に対応するため多くの人を雇います。雇用がうまれるわけですね。そして建設会社で働いている人達の給料も上がる。働いている人達は給料が上がったので、車を買ったり、住宅ローンを組んだり、スーパーで週末に自分へのご褒美で美味しいものを買ったり。景気を回復させるためには、人々に消費してもらう事が欠かせないのです。
成長戦略とは
成長戦略は民間も国も一緒になって様々な知恵を出し合って今後の日本を良くしよう。という何とも曖昧な表現になってしまいますが、多くの項目があり、まだ具体的にどうなるのか?決まっていない部分も多い。首相官邸のホームページに「成長戦略」の基本的な考え方という項目で詳しく紹介されています。今後の日本がどのように変わっていくのか知っておくためにも一度目を通しておきましょう。
まとめ
アベノミクスの3本の矢は確かに結果が出ています。株価が上がり、円安になり、一気に景気がよくなったように見えます。ですが、国債を発行し続け、借金を増やし続けるっていうのは無理ですよね。このアベノミクスの三本の矢っていうのは逆を言えば日本はそれだけ危険な状態にあったという事ですよね。大胆な金融政策と機動的な財政政策は特効薬的に使われました。これが駄目だったら本当にもうどうしようもない状態だったのかもしれないです。安部首相は今後の教科書に載るような凄い方だと思います。でも消費税の問題、少子化問題、日本には経済だけではなく、様々な問題が山積みです。しかし2020年の東京オリンピック開催が決定しました。風は吹いていると思います。私達、国民一人ひとりの意識がとても大切です。一緒に頑張っていきましょう。
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