栃木県の那須塩原にあるパン屋さん、パン・アキモトをご存知でしょうか?
恐らく多くの方は知らないですよね。ではパンの缶詰は?
備蓄用のパンという認識で広がっていますが、今では面白グッズや、缶詰に好きなメッセージを入れて保存したり、様々な場所で広がりを見せています。そして注目を集めているのがそのビジネスモデル。カンブリア宮殿で取り上げられ、更に認知度は高まった。
パンの缶詰は3年経っても美味しい
パンを缶詰にするという発想が凄いのですが、今まであった備蓄用の乾パンとは全く違い、保存期間が保証されている三年目に食べてももふわっふわ。衝撃的ですよね。もちろん特許を取得しているので、他が真似をすることは出来ない。どうやって3年もの間ふわふわ状態を保っているのか?
詳細はもちろん伏せられていますが、簡単に説明するとパンを焼いてから缶詰に入れるのではなく、缶の中にパン生地を入れて焼く。このようにする事でパンと缶の間に空気が入らず、菌の繁殖を抑えれるそうだ。そして缶詰とパンの間には特殊な紙が入っていて、水分を上手く調節してくれる。しかもパンの缶詰は保存料が何も入っていない。凄い。
缶詰のパンが誕生したきっかけ
パンの缶詰が誕生したキッカケとなったのが、阪神淡路大震災だ。当時、パンを2000個持って行ったのだが、パンは賞味期限が短く、半数の1000個が廃棄されてしまった。自分が作ったパンが半数も廃棄されてしまった事がとてもショックで、社長さんが保存出来るパンを作ろうと考えた。
パン・アキモトのビジネスモデルが凄い
自分の会社や学校にも缶詰のパンがあるっていう人も多いかと思いますが、備蓄用として多くの企業や自治体、学校などが購入をしている。美味しいパンの賞味期限が3年もあるのですから当然ですよね。だけど3年です。この3年が経過すると普通であれば廃棄処分をし、ゴミとなってしまいます。凄くもったいない。そこでパン・アキモトが考えたビジネスモデルが凄いのだ。
企業や学校が購入したパンの缶詰の消費期限が2年目になった時、「引き取らせてもらえませんんか?」と伝えるのだ。あと1年でパンはゴミになってしまう。企業や学校も廃棄にお金が必要になる。だけどあと1年消費期限があるのに勿体無いという気持ちになりますよね。そこでパン・アキモトが提案するのが、次回のパンの購入を一缶100円引きで販売します。と提案する。企業や学校に販売しているパンの缶詰は一缶800円する。次からは700円で購入出来る。
自治体や企業は何百という単位で購入をするので、100円の値引きは凄く大きい。そしてもう一つ凄いのが、パン・アキモトは企業や学校から回収したパンの缶詰を食べ物で困っている国や、災害が起きた国へ全て寄付する。今までに25万個もの寄付を行った。社会貢献である。だけど回収コストを考えると自分達で全て回収しては赤字だ。そこで考えられたのが、パンの缶詰を運送会社が配達する時に、2年目となったパンの缶詰を回収する。このようにする事で回収コストを大幅に削減する事が可能になったのだ。
社会貢献は綺麗事では続かない
ボランティアや社会貢献って綺麗事では出来ない。お金が入ってこないと続けられないからだ。瞬間的なボランティアであれば出来るが、継続して続けるには必ずお金が必要になる。利益が必要になるのだ。何処の企業も社会貢献はしたいと思っているが、実際問題としてなかなか難しい。しかし、パン・アキモトの社長が企業へ営業をする時に、「このパンの缶詰を購入して頂くだけで社会貢献が始まりますよ」と伝える。2年が経過し、新しい缶詰を購入すればパンは廃棄される事無く、世界中で食べ物に困っている人の役に立つ。ある学校では入学した時にパンの缶詰を生徒が2缶購入し、備蓄をする。そして卒業間際、缶の側面にメッセージを書いて海外へ送るという取り組みが行われている。
パン・アキモト パンの缶詰 那須高原バター 100g×4個 | ||||
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まとめ
社会貢献とビジネスを上手く組み合わせ、利益を出し続け、社会貢献し続けれる仕組み。誰でも簡単に出来ることではない。パンが好きだという情熱と、何か社会貢献したいと思う社長の熱意が生み出した素晴らしい仕組みだ。現在もパン・アキモトは那須塩原で街のパン屋さんとして存在し、あくまでもそのパン屋さんが自分達のホームだと考えている。パンの缶詰での売上で現在は年商五億円ほどあるそうだが、この数字がもっと大きくなり、一般家庭からでも2年が経過すれば回収するという仕組みになればこれほど嬉しい事はない。
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