2014年10月18日土曜日

カインズの成功はオリジナルブランドとパートも報奨金を出す現場主義


今やネット通販が支流となり、お店でなかなか商品を購入しなくなった。そんな時代の中、リアル店舗で大成功しているお店がある。ホームセンターのカインズだ。現在の売上は3700億円を超えそうな勢い。自分の家の近くにもカインズがあるという方も多いだろうが、とにかく品揃えが凄い。食品以外であれば何でも揃うと言っても過言ではない。このネット支流の時代にどうやって日本一のホームセンターになったのか?カンブリア宮殿にて特集されていたのでご紹介。

オリジナルブランドと完全現場主義に秘密あり


消費税が3%アップしたが、カインズは自社で3%分を負担し、値段を据え置いた。その費用は年間で100億円を超えるという。資金力がなければ到底真似が出来ない。そしてカインズと言えばオリジナルブランドである。

カインズのオリジナルブランドは気配りが支持されている


本社は埼玉県の本庄市にあるが、新商品の開発フロアで働く社員は150人で、年間9000点もの新商品を開発する。何ともユニークだったのが、社員が新商品を開発した時に3分間で社長にプレゼンを行う。社長がゴーサインを出さない限り商品が店頭に並ぶ事がない。

カインズのオリジナル商品を見た事がある人は知っているだろうが、細かい部分に気が利いている。例えば料理で使うおたま。底が平らになっていて、立てて置くことが可能になっている。本当に細かな事なのだが、このちょっとしたアイデアが主婦に受け入れられている。ではどのようにして新商品開発を行っているのか?アイデアはどのように出しているのか?

年に二回、全国のカインズで働くパートや社員1700人を本社に呼び、新商品展示会を行う。そして実際に意見を聞くのだ。パートで働く人の多くは、家に帰れば主婦である。つまり商品の細かな気配りであったり、表示の仕方などに直接アドバイスしてもらえる。番組中でもこのアドバイスの一部が放送されていて、なるほどなと思った。LEDライトはルーメンという単位で明るさが表示されているが、この表示の仕方はお年寄りや主婦、始めてLEDライトを買う人には解りづらいので、ワットの表示にした方がよい。確かにそうである。私もルーメンという単位を始めてしった。カインズではパートや社員を呼んで行う新商品発表会に三千万円の費用を投じている。それだけ現場、利用者の意見を大切にしているという事だ。

毎月売上目標を達成するとパートにも報奨金が出る


実店舗で商売をする場合は、販売されている商品が良い事はもちろんだが、働いている人の笑顔だったり、接客などで大きく売上は変わってくる。給料が少なければ働く意欲は当然薄れるが、何と言ってもパートさんのやる気を引き出すのが難しい。カインズでは店舗の売上目標を達成すれば毎月報奨金を支払う。社員、パート全ての人に。放送で映っていたパートの方の報奨金は二千五百円だった。これはやる気が出る。売上によって報奨金の値段も変わってくるそうだ。

専門家を雇い、専門家に商品を売る


一般のお客さんに商品を売るのは当然なのだが、カインズの新しい店舗では専門家にも商品を購入してもらえる努力をしている。誰に売るのか?大工さんや、建築、園芸などのプロの人。一般の人があまり買わないベニヤ板や、ブロックなどを売っているコーナーのみ朝の七時にオープンする。つまり大工さんなどは前日に材料を購入するのではなく、早朝にカインズに行き、材料を仕入れてそのまま現場へと行く。カインズにとっても、専門家にとってもメリットがある。

そして専門家を積極的に雇うようにしている。番組内で紹介されていた専門家は、自転車販売コーナーで働く元、プロの競輪選手。自転車を購入する時に専門的なアドバイスが聞けるのはもちろんだが、自転車に不具合が出た時、専門的な知識で修理をしてくれる。購入したお店でメンテナンスも出来てしまうのだ。全国のカインズで650人ほどの専門家が働いているそうだ。

オリジナルブランドは徹底した品質管理を行う


カインズのオリジナルブランドは品質管理に徹底している。他の企業よりも厳しいそうだ。例えばオーブンのフタを開け閉めする作業を1万三千回も行う。フライパンは空焚き50回、焦げつき5回行って強度を審査する。もちろん強度に耐えれなかった物は新商品として店頭に並ばない。どうしてここまで品質管理に徹底したのか。

オリジナルブランドは中国などの海外で作られているが、昔は信用と信頼でオリジナルブランドを作り上げていた。しかしカインズで販売したオリジナル鍋の取っ手が焦げ付いたのだ。リコール商品となった。何故リコールになったのか?最初はちゃんと取っての素材について話し合いを行っていたのだが、何と途中から勝手に素材が変更されていたのだ。もう二度とリコール商品を出さないという社長の強い決心によって、他社よりも厳しい品質管理が行われるようになった。

まとめ


とにかく現場主義に徹底している。実店舗とネットショップの大きな違いは、商品を実際に触って試せるかどうか。カインズでは座椅子や、マッサージチェア、更には高圧洗浄機、多くの商品を手にとって実際に試す事が可能になっている。そして働いている人がもっと頑張ろうと思える職場環境作り。お客だけではなく、働いている人の気持ちまで徹底的にサポートしている。社長も言っていたが、やはり今はアマゾンが世界的に強く、いかに差別化をし、お店に来てもらって商品を買ってもらうか。その為に他では売っていないオリジナルブランドを作り、商品を試せるようにし、専門家を雇う。ネットの買い物では不可能な事を出来るだけ多く取り入れ、今や日本一のホームセンターとなった。カインズに買い物に行くと楽しいのは、商品の品数だけではなく、働いている人のエネルギーが伝わってくるからという事も大きく関係していると感じた。
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